マーケティングのフレームワークとして、定説とされている4P(Product,Price,Place,Promotion)
今でもビジネスの世界では、4Pが広く活用されています。
もちろん私も、クライアント様に4Pの視点で助言することが多々あります。
多くの企業が4Pを基盤としてマーケティング活動を行うことで大きな成果を上げてきましたが…
4Pだけでは対応できない問題も浮上してくるようになりました。
消費者の意識や行動の変化、スマホをはじめテクノロジーの発展、そして、ビジネス環境が複雑化したことで、4Pから5Pへとその概念を拡張するようになってきたのです。
マーケティン4Pの限界
マーケティング4Pは、1960年代に経済学者ジェローム・マッカーシーが提唱したフレームワークです。
製品(Product)、価格(Price)、
流通(Place)、プロモーション(Promotion)
以上の4つの視点で分析するツールです。
製品やサービスを消費者に効果的に提供するために、企業のマーケティング活動を支えてきました。
しかし、
インターネットの普及や市場のグローバル化に伴い、消費者の購入行動や価値観は大きく変化するようになりました。
いわゆる環境問題や社会問題に対して消費者の関心が高まり、持続可能なビジネスモデルを構築している企業が求められるようになったのです。
また、プロモーションの大きな変化も大きな要因となっています。
かつてはメディアを通じて一方通行の広告しかありませんでした。
それが、ソーシャルメディアを活用してユーザーが情報発信することが可能になり、企業と顧客が双方向にプロモーションすることも珍しくなくなりました。
※Web広告に対して「いいね!」を付けたり、シェアされたりすることで、より多くの人へ拡散されるようになりました。
また、グルメや商品のコメントを見て商品を購入する人が増えるなど、「口コミ」の影響はますます高まっています。
このような変化により、従来の4Pではマーケティング全体を捉えられられなくなり、新たな視点が求められるようになりました。
5つ目のPとは何か?
5Pの5つ目のPには、さまざまな解釈があり、大別すると以下の4つが挙げられます。
〇 People(人):
顧客との関係性を重視し、顧客体験を向上させる。
〇 Process(プロセス):
製品やサービスの開発から販売までのプロセス全体を最適化し、顧客満足度を高める。
〇 Perception(知覚):
顧客が製品やブランドに対して抱くイメージや価値観を形成し、ブランドロイヤルティを高める。
〇 Package(包装デザイン):
「おしゃれなデザイン」や「インパクトのある包装」で、購入意欲を高める。
このように、対象となる商品や状況によって、5つ目のPは複数存在します。
それならば、4P分析+追加Pではないかと言われそうですが…、
その通りです。
それでも、
これからの時代は5Pでマーケティングを考える時代となった事だけは、ご理解いただけるかと思います。
5Pの導入事例は、あの企業
アップル社は、製品品質とデザインに加えて、顧客体験を重視したマーケティング戦略を展開しています。
※ つまり、People(人)のPを意識したマーケティングです。
店舗での体験やアフターサポートを充実させることで、消費者との関係を強化していまが、従来の4Pの要素では当てはまらない展開をしている事例です。
またスターバックスでは、サステナビリティに力を入れ、環境保護や地域社会への貢献を積極的に行っています。
※ これは、Process(プロセス)のPを意識したマーケティングと言える事例です。
消費者との対話を重視し、自らが共感できるブランドストーリーを提供することで、熱烈なファンを獲得しています。
スターバックス社のケースでも、従来の4Pの要素では当てはまらない展開をしています。
このように、
デジタル化や持続可能性をはじめ、より顧客中心の考え方を深めるなど
激化する競争の中で生き残り、成長していくためには、5Pのマーケティングを積極的に取り入れることが重要です。
どうしても、目の前のタスクに注力してしまうと、変化に気づかない事も出てきます。
我が社が、どんな新しいPが不足しているのか迷っているならば、どうぞお声がけください。
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。