災害時の緊急事態の時に、事業継続させるための計画をしましょう

令和元年の台風15号は、千葉県の各地に大きな被害をもたらしました。

 

台風がくる度に、「甚大な被害の発生が懸念される…」、「観測史上、最大の瞬間風速を観測している…」、「土砂災害の危 険度が非常に高まっている所がある…」などと言われ続けるので、どれだけ災害に備えなければいいのか、だんだんと「感覚が麻痺」している部分があると思います。

 

今回、千葉県のように長期間の停電と断水に襲われ、普段の生活ができなくなり、会社や商店の営業再開のメドがたたないという事態が発生して、改めて災害に対する事前対策(防災・減災対策)が必要であると痛感しました。

 

普段は、どうしても優先事項(資金繰り、当面の売上確保、人材育成、設備投資)に目がいって、余裕があれば新事業をどうするか経営者・幹部の方とお話しできればいい程度の感覚でした。

いわゆるBCP(緊急時企業存続計画または事業継続計画)の策定は、自社ブランドや新商品が軌道にのった後に、ようやく着手できるぐらいのイメージでしたが、そうとは言ってられないようです。

 

事前対策の有無による非常事態発生から生産再開までの日数で見てみると、事前の対策を講じていた企業は13日程度で復旧できたのに対し、何も対策していなかった企業は41日もかかった(事前対策をしている企業に比べて3倍も日数がかかっている)とのデータがあります。

生産再開が遅れる程、取引先を失うリスクが高まるので、早急な対策が必要であることが分かります。

災害についての事前の準備が大事です。
(出所:中小企業強靭化研究会中間とりまとめ)

BCP(緊急時企業存続計画または事業継続計画)の策定は、決して特別なものではありません。

中小企業庁のホームページでは、「もし病気で入院したら会社をどのように続けていくかなど、日々の経営の中で考えていることを、計画として『見える化』」すれば、最高意思決定者不在という緊急時のBCPになるように、BCPは日々の経営の延長にあるもの」と、例えています。

 

緊急事態で的確に判断し、行動するためには、緊急時に行うべき行動や、緊急時に備えて平常時に行うべき行動をあらかじめ整理し取り決めておく「事業継続計画(BCP)」の策定・運用が有効です。

 

これらの「事業継続計画(BCP)」の策定には、ミラサポを活用し専門家を無料で派遣してもらう制度もあります。

※1 BCPの策定・運用を検討している中小企業・小規模事業者が対象です!

※2 派遣回数は1社あたり3回まで。

 

BCPを策定した企業が自社のみで訓練をすると、避難、安否確認、被害状況 確認のいわゆる初動訓練で終わってしまうことがほとんどです。 一方で、実際のBCPの運用においては、更に踏み込んで、製品・提供サービスの優先 順位や代替方法を検討するなどして、事業継続を図っていくものです。 訓練のシナリオや評価などは専門家の指導を受けるとスムーズに実施できます。

 

また、中小企業BCP策定運用指針がわかるサイトもあります。

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/

 

中小企業庁では、新型インフルエンザの発生(パンデミック)などを含めて、中小企業が「事業継続計画」を簡易に策定することができるよう様々な支援策を準備しています。

これを機会に着手されることをお勧めいたします。