データが収集できるPOSレジが登場する前は、経験と勘が頼りでした。
開店前に細かく数をチェックして、閉店後に改めて数をチェックする。
その結果、ようやく一日で何が売れたのか確認できる…
そんなアナログの手法しかない状況でコンビニでおなじみのPOSレジが登場したことは画期的でした。
どのような顧客層が、何時ごろに何を買ったのか、データが瞬時に収集できるようになったからです。
どの商品が売れないのか…
どの棚が動いてるのか…
確認の上で、様々な改善策が打てるようになりました。
一番有名なPOSデータの活用例は、ビールとおむつを一緒に買うケースが多い という分析結果だと思います。
このように、アナログの手法では難しかった販売促進の検証も、データで確認できるようになり結果を確認しやすくなりました。
ところが最近…、
POSレジでは気づかない需要を掘り起こせる可能性がある事がわかってきました。
POSレジの限界
ご存知の方も多いと思いますが、随分と前から指摘されている事で、POSレジの結果には出てこない隠れた需要がある と言われてきました。
例えば、
ライバル店などで取り扱っている商品が自店のPOSデータに入っていない場合は、当然 データとして出てきません。また、売り場で手に取る回数が多いのに実際には売れていない商品についても、データとして出てくることはないです。
大手のコンビニチェーン店ならば、分析専門の部署があって、データを有効活用することができますが、売れた、売れない の結果しか出ないので「何故売れたのか?」を把握するのは、中小企業では難しい訳です。
そのような関係で、どうしても売れ筋の商品の在庫を切らない…等のありきたな対策で留まってしまいます。
大手はAIカメラで情報収集
有名な総合スーパーでは、AIカメラで気づかなかった需要を掘り起こそうと情報収集を進めています。
それまでの店内のカメラは、盗難などの事件があった際、事後的に映像を分析するといった用途にとどまっていました。ところが、商品説明など接客が必要な時にスタッフが離れた場所におり、機会損失が多々あることが気づきます
それまでは、店舗入り口で客数をカウントしたり、アンケートで1週間の来店回数を尋ねたり…
といった情報収集をしていましたが、1年のうち限られた日数しか調査できない問題があったのと、機会損失を把握する事ができない課題がありました。
カメラの映像を低コストで分析できる技術革新が進んだこことで、AIカメラで気づかなかった需要の情報収集ができるようになったのです。
思い込みからの脱却
平日夜のベビーカー売り場には顧客がほとんど来ない…
今まではこのような思い込みがあったのですが、AIカメラを通じて、仕事帰りと思われる共働き夫婦が、子どもと一緒にチャイルドシートを眺めている姿を捉えていました。
もし、平日の夜に一定数の顧客がチャイルドシートを見に来ているならば、平日の時間帯にも知識を持った従業員を
配置すると、売り上げ増につながる可能性が高い訳です。
また、どのような流れで店内の売り場に流れていくかの想定した内容に対して、AIカメラで分析すると、想定外の方向から売り場に入ってくる顧客が多かったことが判明しました。
思い込みでなく、より具体的な根拠に基づき売り場レイアウトを変更できるようになったのです。
大手ならAIカメラが活用できますが、中小企業ではそんな活用はできません。
しかし、ビデオカメラもスマホでも録画することができるので、その気になれば、気づかなかった需要を調査する方法は沢山あります。
電話で何気なく対応できないのか
質問をされていた
他店では取り扱っているのに
自分の店にはない商品がある
ホームページの特定のページの
閲覧記録が実は多い
商品を手に取っているのに
購買数が増えない
振り返ってみて、「そう言えば…」と思う内容がないものか、考えてみて下さい。
思い込みでなく、気づかなかった需要を探す切っ掛けになると思います。
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。