政府は、令和7年度を目安に「国民皆歯科健診」制度の導入を検討しています。
既に、健康診断については毎年1回、必ず実施する必要があるので行っていると思いますが、新たに、歯科検診についても義務化されようとしています。
※参考ですが、
常時50人以上使用する事業所の場合は、健康診断の結果を労働基準監督署へ報告する義務があります。
また、その結果を5年間保管しておくことも会社の義務となってます。
従業員数50名未満の事業所では、健康診断結果の報告義務はありません。ただし、あくまでも報告義務がないだけで、健康診断の実施義務はあります。
口や歯の病気は国民病
よく言われることですが、歯科医院の店舗数はコンビニよりも多く存在する…です。
実際に、
令和元年10月1日時点で歯科医院の店舗数は68,500店舗(厚生労働省による医療施設調査)
令和元年12月末時点でのコンビニ店舗数は55,620(コンビニエンスストア統計データ)
以上のように、本当に歯科医院はコンビニよりも多く存在するのです。
それだけ、口や歯の病気にかかっている人が多いということですが、歯周病の本当の恐ろしさは、進行すると糖尿病や心臓病、脳梗塞などの病気を誘発する可能性があることです。
歯周病が身体の病気につながる…
とは思いもしませんでしたが、それほど歯周病や口の病気は身体の病気と密接な関係がある訳です。
低い歯に対する健康意識
定期的に歯医者に行ってますか?(歯石を取ってますか?)
小中高等学校での学校検診は義務付けられていますが、それ以外の世代では歯科検診は義務付けられていません。
よほどの事がない限り(歯が痛くなってからじゃないと)歯医者さんには行かない…
そんな方が多いと思います。
実際に歯科健診を受診する人の割合は4割程度と言われています。
たとえ
「80歳で20本以上 自分の歯を保つ」
と言われても、「痛い」「怖い」というイメージがあり受診するのにおっくうになりがちです。
できることなら歯医者に行きたくない、治療を受けたくないと思うのも、仕方がないことなのかもしれません。
歯に対する健康意識が低いのでなく、通院するのが苦手といった方が正しい表現かも知れません。
業務に支障が出るのを防止する
かなり前(平成27年)から、50人以上の労働者がいる事業所でストレスチェック制度の実施が義務づけられました。
個人のメンタルヘルスの不調のリスクを低減することで、業務に支障が出るのを防止し職場環境を改善するのが目的です。
これに対して国民皆歯科健診制度の導入で何を狙っているかと言えば、ずばり、「健康経営」の促進です。
これから労働生産人口の減少に拍車がかかっていく中で、今の労働者に健康で長く仕事をしてもらう必要性が高まってます。
70歳まで働くのが当たり前になる時代がそこまできています。
企業として、健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性向上だけでなく結果的に業績向上につながると期待されています。
今から準備すべきこと
先ずは、令和7年度から「国民皆歯科健診」制度の導入が始まる予定であることを案内しましょう。
その上で、歯科に通院している方がどれだけいるか把握しておきましょう。
また、歯科に通院すべきであるのに治療していない方についても、事前に把握しておきましょう。
(会社としての義務ではありませんが、生活習慣病との相関を把握するためです)
可能であれば、昼食後に歯磨きタイムを推奨するのもいいかもしれません…
近年、日本では医療費は増加する一方で、国民皆歯科健診で歯の健康を守ることで医療費を削減していきたい、という目的があります。
「国民皆歯科健診」制度の導入によって企業の負担がどれだけ増えるのか、未だ不透明ではありますが、歯の健康を保つことは全身の健康につながります。
毎日を笑顔ですごすためにも、豊かな食生活を守るためにも、この機会に定期的な歯科健診の受診を推奨していただきたいです。
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。