ドムドムバーガー復活の秘密

ドムドムハンバーガーは1970年創業。

マクドナルドが上陸する1年前に誕生した日本で最初のハンバーガーチェーンです。

 

ダイエー系の会社が運営し、コロッケバーガー、お好み焼きバーガーなど個性的なメニューが好評で、最盛期の90年代には全国に約400店を展開するまで拡大しました。

 

しかし、その後はダイエーの不振とともに店舗は減少となり、現在は27店が営業中です。


そんな苦境にあったチェーンを復活させ、2020年に黒字に戻したのが、37歳で“初就職”した元専業主婦の藤崎忍さんです。

異色の経歴

藤崎さんは短大卒業後、就職をしないまま結婚。

政治家の夫を支え、子育てをしている中で、夫が病に倒れたことで初めて働くことになり、紹介されて渋谷109のアパレルショップ店長となり、大きな成果を出します。

 

経営方針の変更もあって店長を辞め、初めて就職活動をして、居酒屋店主へ転身。

ここでもお客様の要望を拾い上げ、繁盛店へと導きます。

 

しかも、介護と子育てとお店運営の三刀流を手を抜かずにこなす「努力家」です。

 

そんなお店の常連客が、ドムドムハンバーガーの役員の方で、藤崎さんに新商品のアイデアを提供して欲しいと勧誘されて入社します。

 

店長職の際は、自宅から職場までが遠く、営業時間が8時~23時と長いため、寝る暇もない程の激務でしたが、ここでも成果をあげ、入社からわずか9か月後に社長に大抜てきされることになります。

行動力と情報発信力

紹介されて渋谷109のアパレルショップ店長になった時、ひと廻り下の年齢のスタッフに囲まれ、当初は戸惑う毎日だったそうです…。

 

社会人経験が皆無だった藤崎さんですが、行動力が素晴らしく、次々と改革に着手します。

 

お店の問題点を見ぬき、洋服の並べ方を変え、売れ筋商品を前面に押し出し、ディスプレーも今風にアレンジし、売上げを倍増させます。

 

また、居酒屋の店主となった際には、「誠実な接客を心がける」だけでなく、口コミやSNSを通して情報発信にも注力します。

 

さらに料理しながら、お客さんと会話するなど、効率的で時間を最大限有効活用した働き方をしました。

 

介護と子育てとお店運営の三刀流の裏には、時間の有効活用という努力があった訳です。

新しいことに果敢にチャレンジ

大手を意識しても意味がありません…と独自路線を貫くドムドムハンバーガー。

 

チェーン店の経営というと、とかく店舗数に目がいきがちなところを、50年後も愛されるお店として地に足のついた展開を図っています。

 

おいしいのは当たり前…

 

お客さんに笑顔になって帰っていただきたい、という想いから「新しいことに何でも試すこと」が奨励されており、

「手作り厚焼きたまごバーガー」や、

「丸ごと!!カニバーガー」といった

ハンバーガーの常識を覆す商品が生まれました。

 

 

また、スタッフ用に製作したロゴ入りマスクを一般客に向けて格安で販売し、15万枚も売る程ブランド作りにも余念がありません。

 

新しいことに果敢にチャレンジする成果もあって、このコロナ禍の逆風下にもかかわらず新規出店を継続し、着々と復活を遂げています。

藤崎さんの信条

今のようなコロナ禍においては、どうしても「恨みつらみ」が出てしまいます。

 

あれさえ無ければ…

もし〇〇だったのならば…

 

藤崎さんが講演で話した言葉の中に

「与えられてた環境で、与えられた事を尽くす」

があります。

 

もともと問題を見抜く力があるかも知れません。

褒め上手で、やる気にさせる才能があるのかもしれません…。

 

それでも、どんなに忙しくても介護と子育てと仕事の三刀流を全力でやり遂げてきた経営者の言葉に重みが有ります。

 

「与えられてた環境で、与えられた事を尽くす」

この言葉で、どんな事を感じますか?

 

少し、振り返って頂ければと思います。

 

笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。