聞き流すだけで英語が話せるようになるというキャッチフレーズで人気を博した教材と言えば…
そうですスピードラーニングです。
プロゴルファーの石川遼さんがこの教材で英語を勉強していることも有名でした。
英語を、英語で理解する教材として一度は挑戦してみようと思った方は、私だけではないはずです。
1989年に販売が開始され、約30年もの長い歴史を持つ英会話教材でしたが2021年8月、スピードラーニングの
事業(販売)が終了しました。
通勤時間などの、ちょっとした時間を有効活用できる画期的な教材だったのに「どうして事業(販売)が終了なの?」
と、驚いた方が多くいたと思います。
時代変化への対応が遅れた
スピードラーニングの事業(販売)が終了となった要因は、魅力的な他の学習教材が出たからですが、一番の大きな要因は、インターネットが広く普及したことにあります。
オンライン英会話やスマホの語学アプリなど、安価で効果的な学習方法が登場しているのに、スピードラーニングは従来のCD教材に固執し、時代の変化に乗り遅れてしまった訳です。
特に対応が遅れてしまったものは以下の2点と言われています。
①デジタル化への対応が遅れた
パソコンやスマホの普及によってオンライン教材やアプリが主流となり、さらにはYouTubeなどで有料級の英会話学習動画が配信されるようになったのですが、30年前の古いコンテンツままで従来の成功パターンから脱却できなかった。
特に、有料CDのビジネスモデルからアプリ版への移行といったデジタル化が遅れたのが要因とされています。
②顧客ニーズの変化への遅れ
オンライン教材やアプリでは、より個別化された学習内容や成長やスキルアップを感じられる仕掛けが提供されていますが、スピードラーニングは画一的な学習内容であったため、顧客ニーズの変化に対応しきれませんでした。
30年前には口コミが無かったのでユーザーの本音を知ることはできなかった訳ですが、事業(販売)が終了となった時には「聞き流すだけでは英語は学べない」といった口コミが相次いだことで、評判が下がったことも起因となりました。
※現在は、復活を望む声にこたえてAudiobookやAmazonのAudibleで聞くことができます。
他人事ではない対応の遅れ
時代変化への遅れは、何もスピードラーニングに限ったことではありません。
自分や、自分のまわりの会社ではどうでしょうか?
簡略化できるはずの業務をあえて手作業で対応している
そんな業務が残っていないですか?
例えば、FAXやメールで受信したデータを特定の誰かが職人芸で入力している
しかも、その人以外では誰も対応できないというケースも多いはずです。
また、顧客情報や社内情報のフィードバックをする仕組みがなくなんとなく感覚で情報を分析しているケースも多くないですか?
※実際にヒヤリングして際に「〇〇をいうニーズが増えてます」と言われて、その根拠は何ですかと質問しても明確なデータがない、感覚や偶然に経験した結果によるものが多かったです。
お客様がどのように変化しているのか社内がどう変化しているのか正確に情報をつかんでいないことで、前年と同じような成功パターンを引きずってしまうのは危険です。
効果的な新商品や新サービス開発もしくは業務の自動化への対応が必要であるタイミングなのに、従来のままの安全策を取ってしまい改革の機会を見失っている会社はどうしたらいいのでしょうか?
成功事例を知り、ゴールを把握する
ありきたりですが、便利なツールやサービスは経験しないと、その良さを理解するのは難しいです。
しかし、改革機会を見失っている会社は、成功事例を勉強していないように感じます。
テレビや雑誌で取り上げる大企業の成功事例はまったく参考になりませんが、商工会・商工会議所や民間団体で行われているセミナーや講演会ではデジタル改革のヒントや事例が沢山紹介されています。
成功事例を知れば、どのように改革するのかゴールが見えてきます。
時代変化への対応が遅れないために何を、どのように改革するのか、そのゴールが明確でなければ、前に進めません。
デジタル化や改革を成功させている中小企業成功事例を積極的に収集してみましょう。
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。