こんな時期だから、金融機関から借りれるだけ借りておきましょう…
こんな事を言われて、セーフティネット保証制度の手続きをされる方もいると思います。
セーフティネット保証の活用だけでなく、日本政策金融公庫などの特別貸付制度など活用できる制度は様々あります。
土日に対応している相談窓口などを活用して有効な制度を活用していただきたいです。
しかし、その前に是非ともやって欲しいことがあります。
事業経営のモノサシについて、この時期にしっかり把握してみませんか?
決して、財務分析ができるようにしましょうという意味ではありまません。
※短期安全性の数値である「流動比率」を計算してくださいという意味ではありません。
もっと基本的な数値を把握しましょう…という意味です。
具体的に申しますと、「資金繰り」・「計数管理」・「決算書」この3つです。
財務は苦手とおっしゃる経営者の方や、税理士の先生にお任せしているから…と言われる方が多いのですが、最低限、知っておくべき数値が有るので、この機会に押えて欲しいです。
資金繰り
毎月、支払う経費は月にいくらでしょうか?
・事務所の家賃,光熱費,従業員の給与
・保険料や駐車場代、メンテナンス会費など
概算で把握していると言われる方でも、月別に集計していなかったり、お金に余裕が出てくるタイミングはいつか(売掛金の回収時期を把握してない等…)正確に分かっていない場合があります。
加えて、売り上げ(生産量・販売量)に比例して増減する経費(変動費)についても、正確に把握する必要があります。
※変動費とは、原材料費や仕入原価、販売手数料など該当します。
これらの「毎月必ず支払う経費」や「月によって変動する経費」をどのように支払ってきたか、資金繰り表を作成しましょう。
そして、どんぶり勘定から卒業しましょう。
資金繰り表を作成している場合には、その内容を正確に言えるように、事あるごとにチェックするようにしましょう。
資金繰りが分かっていないのに、借りれるだけお金を借りても、どんぶり勘定のまま、理由が分からず、お金が減っていくことになります。
計数管理
計数管理の説明は色々とあるのですが、ここでは売上と利益の把握とさせて頂きます。
月の売上げが、昨年と比べてどうだったのか?増えたのか、減ったのか?
増えたのは、何が良かったのか?
減った要因は、何が悪かったのか?
減少幅が少ないと、なぁなぁの状態となり、「仕方なかった」・「次は頑張る」といったゆでガエル現象が発生します。
抜本的な対策を打たずに、前年同様の施策をやり続けても、効果があがってきません。
新しい顧客を創造するのか、思い切って新たな販売促進を行うのか、経営判断する必要があります。
見落としがちですが、売上が2倍になったから利益も2倍になる訳でありません。
逆に売上が下がっても、利益が増える場合もあります。
短期的に見れば売上が上がり、利益が増えたとしても、中・長期的にみれば、事業には良くないケースがあります。
(消費税アップした際などの場合です)
経験と野生の勘でだけで事業経営を行うより、しっかりと計数管理の中で、売上と利益の把握を行っていきたいです。
決算書の内容を把握する
決算書に何が書かれているのか、この機会に学んでみましょう。
特に、損益計算書の項目だけは最低限把握したい内容です。
売上総利益 営業利益 経常利益 この利益の違いだけは、把握したいです。
売上総利益は、粗利益と言われるもので、売上げから商品の原価を引いた利益です。
会社全体のざっくりした利益のことです。
営業利益は、本業で稼いだ利益の事です。
販売費及び一般管理費の中には、宣伝費や交際費といった経費があり、コストカットする場合は、この内容を細かくチェックすることになります。
経常利益は、会社全体で稼いだ利益です。
経常利益は会社の実力を示す指標と言われています。
同業他社と比べる際は、この数値を比較することが多いです。
本業以外に駐車場の収入がある場合は、経常利益と営業利益の数値が変わります。
この「資金繰り」「計数管理」「決算書」の3つを把握するだけで、具体的に将来の経営計画が把握できるようになります。
今は、詳しく説明してくれているサイトや動画が沢山あります。
しっかり把握できるように、苦手分野があれば自己研鑽に努めてください。