「説得」よりも「納得」の仕掛け

部下に行動を改善してもらいたいと思って指導をしても、全く行動が改善されない

 

「はい」「わかりました」という返事はいいのですが、結局同じことを何度も注意することになる。

 

そんなケースが、時々あると思います。

 

しかし、現場での様子を観察していると、

「今の助言では上手くいかないのでは…」

と感じることがあるのです。


例えば、こんな感じです。

 

上司

「先月の報告書が未提出なので、早く出してください」

 

部下

「はい、すいません」

 

上司

「いつ出せるのかな?月末までって言っていたよ」

 

部下

「明日までには何とかします。すいません」

 

上司

「とにかく早く出してくださいね。毎回 同じ事を言ってますよ」

 

部下

「わかりました。すいません」

 

上司

「どうしてやってくれないの?今忙しいわけじゃないよね」

 

部下

「すいません、少し立て込んでいて」

 

上司

「先月も同じことを言ってたなぁ。とくかく、早急に提出してください」

 

部下

「はい…」

 

 

こんな感じで指導(もしくは督促)をされているのですが、この会話の中の何が「悪い部分」なのか分かりますか?

そうです、具体的な改善策を引き出せていない点に問題があります。

 

とは言え、口調がきつくなってパワハラだと騒ぎ立てられても困るし、本人に寄り添ったスタイルで接して「あなたの感想ですよね」なんてお門違いの事を言われても困ります。

 

そんな心が折れるような状態にならないために、「説得」よりも「納得」の仕掛けが必要となってきます。

心から納得できたアドバイス

ある生活習慣病の診察のため、かかりつけのお医者様と話してました。私のことです。

その日は、寒かったこともあり測った血圧がかなり高かったので、ここ数日の食事内容を質問されました。

 

「ご褒美の豚骨ラーメンが好きです」

なんて、正直に打ち明けたところ、こんな言葉が返ってきました。

 

「私も豚骨ラーメン好きだよ背脂のスープとか美味しいよね

 でも、あの背脂って冷えたら丼の中でドロドロに固まっているよね

 血管の中で同じようにドロドロで固まっていたら、どう思う?

 

私の頭の中のイメージは、血管が詰まっているイメージが鮮明にわきました。

 

そして、健康維持のために背脂こってりの豚骨ラーメンを、しばらく我慢する決意が生まれました。

 

単純な私にとっては、分かりやすい「説得」よりも「納得」の仕掛けです。

どう具体的な改善策を引き出すか?

口調がきつくなってパワハラだと騒ぎ立てられないように、どう具体的な改善策を引き出すのか?

 

お勧めしたいのは、「これをやりなさい」と伝えて「はい」と言わせたり、「どうしてやらないの?」と責めて反省させるやり方ではありません。

そんな事は、よくご存知だとは思います

 

本人にしっかりと具体的に考えてもらう質問を投げかけるのが効果的です。

 

上司「先月の報告書が未提出なので、早く出してください」

 

部下「明日までには何とかします。すいません」

 

上司「前回も期日までに出せなかったですよね。今回も私が声をかけるまで何も言ってくれていませんでした」

 

部下「すいません。気をつけます」

 

上司

「ちょっと考えてみてほしいんです。どうやったら期日までに報告書を出せますか?」

「具体的に考えてみてください。どのような仕事の仕方にすれば、期日を守れますか?

 

部下

「ついつい後回しにしてしまうんです。例えば下旬になったら、必ず一日に15分報告書を書く時間を作るとかです」

 

上司

「できそうですか?」

 

部下

「がんばればなんとか。それと、箇条書きはだめですか?

 

上司

「箇条書きなら間に合う訳ですね?」

「わかりました。とりあえず今月はそれでやってみましょう。」

 

部下

「はい。やってみます」

 

と、こんな感じで具体的な改善策をうまく引き出せています。

 

※「説得」よりも「納得」の仕掛けをしています。

 

 

かつてパワハラ上司から、無理難題の目標を言わされて、(到底 できない目標値でした)おまえ自身が言ったことを

実現できないとは何事だ…と罵倒された苦い経験があるのでくれぐれも、改善策だけを引き出すように、穏やかなやり取りで活性化を図っててください。

 

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