大手の家電量販店に対して、全く違った「切り口」で勝負して、顧客満足度を高めた事例として「でんかのヤマグチ」が有名です。
大手量販店の攻勢で大打撃を受けた際に、「安売りをやめて、高売りをする」という発想に変えました。
お客様を絞り混んで、地域に密着することで、繰り返し買っていただく戦法です。
この作戦がみごとに当たりました。
(辿り着くまで紆余曲折あった訳ですが)
今では真似する店舗が増えましたが、
電球1個からお取り替え
代わりに食材の買い出し
家族の代わりに留守番も引き受け
など、大手が真似できないきめ細かいサービスで、お店への熱狂的なファンを増やしました。
この経営戦略は、海外でも評判となり、アップルやサムソンの役員が、わざわざ東京都町田まで視察にくる程です。
経営戦略のケーススタディとして、おべんとうの「玉子屋」さんや、奇跡の7分間で有名になった新幹線清掃員と一緒に紹介される程有名になりました。
そんな他の事例を知った上で、自店舗の向かいにヤ〇ダ電機がきたカデンのエトウの奮闘記を読みました。
カデンのエトウ
本のタイトル
常識をくつがえせ! ~小さいは、強い
町の電気屋 VS 巨大量販店1450日の攻防~
本の紹介として
大分県佐伯市で、古くからコツコツとがんばってきた、町のちっぽけな電気屋「カデンのエトウ」
よりにもよって、そのすぐ目の前に突然、超巨大家電量販店が出店してきた?
町のだれもがつぶされることを予期したそのとき、彼らがとった行動とは!?
電気屋を営む著者がその実体験をもとに、本当に正しい経営のあり方を舌鋒するどく説いた、スリル満点のビジネス書です。
と、書かれていたので、どんな戦法で勝ち抜いたのかかなり期待していたのですが…
その答えは、「経営理念」を浸透させる。
たった、これだけでした。
いやいや、それ以外に何か特別な事をしたのではと読み進めたのですが、本当に「経営理念」を浸透させる、これだけです。
本の中にも触れていますが、当初、父親から
「経営理念で飯が食えるのか?」
と言われて、言い返せなかった著者が、最後には、
「経営理念で飯が食える」
と言い切っています。
正直、この内容にはビックリしました。
少しもの足りない感じはしましたが、もう一つ驚いた内容があって、最初にミッションを作ろうとすると必ず失敗する…という内容です。
私がセミナーで登壇する際に、常套句のように「ミッションが重要です」なんてレクチャーしているのと真逆です。
正しくは、「ミッションの作り方」が間違っていると、表現した方がいいかと思いますが、いずれにしても、「小さいは、強い」となる為には、ミッションから始めないとする着眼点が良かったです。
ところで、
「あなたは何をしている人ですか?」
こう聞かれて、なんて答えますか?
パン屋です。
喫茶店オーナーです。
整体師です。
と、一般的には答えると思いますが、
そうではない部分に重要な点があると
著者は解説しています。
人によっては、それを
「モノ」から「コト」へ
と表現する人もいるかと思います。
例えば、パン屋さんでは、
パンが欲しいのではなく
・美味しい朝ごはんが食べたい
・甘いパンで幸せな気分になりたい
という結果やメリットが欲しいはずです。
これに対して、単に
・美味しい朝ごはんを食べさせる屋さん
・甘いパンで幸せな気分にする屋さん
では、「パンを焼いて店に並べる屋さん」
という枠に収まってしまいます。
それを、
『美味しい食材をとどける屋さん』
と変貌させると、パン以外に着目でき、まだ満たされていない、または、まだ把握していないニーズを発見できると解説していました。
この内容を「経営理念」を浸透させると、表現したものだと感じています。
先ほどのパン屋のケースだと、
『美味しい食材をとどける屋さん』
なので、おにぎりも並べてみようという発想が出てくる訳です。
改めて、
「あなたは何をしている人ですか?」
こう聞かれて、なんて答えますか?
この答えの中に、「小さいは、強い」に繋がる要素があるはずです。
把握していないニーズを発見できるかも知れません。
一度、問いかけてみてはいかがでしょうか?
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。